症例報告

vol.7

因縁果報ウィズダム」実践が 増患をもたらしたと思われる
経験の報告

U内科 S.U氏、M.H氏

【はじめに】

今回、院長が職員との協働に向かうための「因縁果報ウィズダム基本篇」に取り組んだところ、その時期を境として、クリニックにおける受診患者の増加が認められた経験をしたので、報告する。

【方法と経過】

演者自身のクリニックにおいて、2004年10月、職員が病気のため長期療養するという出来事があった。この出来事を、院長である演者への“呼びかけ”と受けとめ、職員との協働に向かうための「因縁果報ウィズダム基本篇」に取り組んだ。
そして、「自分のほうが立場が上」という演者自身の「快・暴流」のつぶやきが意識化され、「院長である前に一人の人間」として、同じ目線の高さで職員と接するように努めた。 その結果、職員間に以前よりも温かいチームワークが息づくようになった。その時期を境として、受診患者数が増加したように感じられたので、前後における患者数について検証した。検証する項目としては、月平均レセプト枚数と月平均新患数を用いた。

【方法と経過】

月平均レセプト枚数から比較すれば、2000年から2004年までは統計学的な有意差を認めなかった。しかし、演者の「因」(心)を転換する前の2004年1月から10月までと、転換した後の2004年11月から2005年8月までの月平均レセプト枚数を比較すると、統計学的な有意差をもって増加していることがわかった(t-test, p=0.00<0.01)。

症例07

 

また、月平均新患数は、減少傾向にあったが、2005年(1月~8月)は明確に増加していた。

 

症例07

 

【考察】

ここ5年間、クリニック周辺半径500mにおける医療診療圏の出来事としては、2004年までに内科クリニックの新規開業が4軒、閉院が内科クリニック1軒、外科クリニック1軒である。また、当院近くの商店街で再開発ビル建築となり、商店街の半分が閉店となっている。どちらかというとクリニックを取り巻く環境は厳しさを増し、受診患者数の明確な増加誘因となるような環境要因は特に認められない。従って、2004年10月を境とする増患傾向は、演者の「因縁果報ウィズダム基本篇」の取り組みによって、もたらされたものではないかと考えた。

【結論】

近年医療機関を取り巻く環境は厳しさをましている。しかし、そのような時であるからこそ医療者自身が、その厳しさを「試練」として受け入れ、「因縁果報ウィズダム基本篇」によって院長の「因」(心)を変革し、同時に「縁」(同志、原則、システム)、特に同志である職員との協働関係を深めることが、増患にもつながるのではないかと思われた。